現在、多くのタクシー会社が運転手不足の問題を抱えており、転職サイトなどではタクシー会社の求人広告をよく見かけます。これからタクシー会社への転職を希望している人は、求人広告のどこに注目して会社選びをすれば良いのでしょうか。ポイントをまとめてみました。
タクシー会社の求人広告で必ずチェックすべき項目
勤務形態
タクシー運転手の働き方には、日勤・隔日・夜勤の3種類があります。
日勤は1回の勤務が8時間程度で休憩時間が1時間が取れる、一般企業の会社員と同じような勤務形態です。女性ドライバーや高齢ドライバー、夜に副業があるドライバーなどに適しています。
隔日勤務は朝の8時ごろから翌2時~5時ごろまで、休憩時間が3時間取れる勤務形態です。長時間に及ぶため体力的・精神的にハードですが、勤務回数は月11~12回と少なめに設定されています。
夜勤は夜の9時から翌朝7時~9時ごろまで、休憩時間が1時間取れる勤務形態です。深夜帯の割増運賃で営業するため売上が伸びやすく、しっかり稼ぎたい人におすすめです。
会社選びの際は自分はどの時間帯が働きやすいか、働き方を選択できるかをチェックしましょう。
給与体系
タクシー運転手は基本歩合制ですが、会社によってさまざまな給与体系が採用されています。
現在、タクシー会社が主に採用している給与体系は次の2種類です。
B型賃金
B型賃金は「完全歩合制」で、売上に約60%の歩合率を掛けた金額がドライバーの給与となります。売上を上げれば上げるほどドライバーは稼げるため、多くのドライバーが選択する給与体系です。一方で、会社側からするとドライバーの売上が伸びなくても固定給でカバーする必要がないため、タクシー会社にとってリスクの少ない給与体系とも言えます。
ただし、売上が伸びなかった月はドライバーの給料がかなり少なくなってしまうデメリットがあります。
AB型賃金
AB型賃金は固定給と歩合給、さらに賞与という内訳で、多くのタクシー会社で採用されています。毎月の固定給+歩合給から一定割合が積み立てられ、年2~3回の賞与として支払われます。完全歩合制と比べて売上が思わしくなかった月でも固定給分の給与が発生するため、タクシー未経験者にとっては安心の給与体系と言えるでしょう。
どちらの給与体系を採用しているかだけでなく、歩合率がいくらか、ノルマの有無なども重要なチェック項目となります。
給与保証の有無
タクシー未経験者が求人情報を見るときに必ずチェックすべき項目が、給与保証の有無です。給与保証とは、乗務を開始してから一定期間の給与を保証する制度のことを指します。
乗務開始の頃はどうしても不慣れな事が多く、なかなか売上が大きく伸びない期間が続きます。給与保証はその間の給与の不安を解消してくれるため、保証期間や金額はもちろん、期間終了後の売上の上げ安さなどもチェックするようにしましょう。
教育制度
教育制度もタクシー未経験者が要チェックの項目です。タクシーで営業するためには、二種免許の取得と地理試験の合格が必須です。多くの場合、二種免許取得の費用はタクシー会社が負担してくれます。
また、タクシー会社が新人ドライバーに対してサポートを徹底しているか、先輩ドライバーの指導はあるかなども注目しましょう。
福利厚生
厚生年金や社会保険は、ドライバーの生活に影響します。いずれも加入できるかはもちろん、社員寮完備など会社の設備等が充実しているかもポイントです。
福利厚生や会社の設備の充実度合いは「会社が社員を大事にしているか」というものさしにもなります。
さらに、車両の設備も重要です。カーナビが完備されているか、配車アプリやチケットなどの有無は稼ぎやすさに直結するため要チェックです。
営業エリア
タクシー会社によっては、無線グループ・営業エリアの選定について記載しているところもあります。
無線グループとは、お客様からの配車依頼を一括して受けそれを共有する企業グループです。お客様からタクシー予約の連絡が入った際、その無線グループに加盟しているタクシーに連絡が行き、すぐに配車できるような体制が取られています。
タクシー会社選びの際は、お客様からの予約が多い無線グループに属しているかどうかが重要です。
さらに、営業エリアも確認しておきましょう。タクシー利用のお客様が多いエリアか、オフィス街か、繁華街かなど稼ぎに直結する情報となります。
誇大広告でないか
「新人でも初月から月収50万円稼げます!」など、魅力的な広告を出しているタクシー会社を見かけることがあります。現在タクシー業界は運転手不足の問題を抱えているため、あの手この手で応募者を獲得しようとしています。
平均月収をはるかに超える給与を提示していたり、楽をして稼げるといった甘い宣伝文句が掲げられていたりしたら、誇大広告の可能性があるので注意が必要です。
まとめ
タクシー会社で働くために、知っておくべき項目はいろいろとあります。求人広告だけでは分かりづらいことは、直接タクシー会社に問い合わせたり、転職サイトのエージェントに相談したりして、正しい情報を仕入れられるようにしておきましょう。