現在タクシー業界は、人手不足の解消のために給与体系や待遇を見直し、30代~40代の働き盛りの世代から転職先として注目されつつあります。
今回の記事では、世間一般のイメージではなかなか伝わらない、タクシー会社で働くことのメリット・デメリットをご紹介します。
タクシードライバーのメリット
タクシードライバーはその特殊な働き方から、給与面をはじめとしてさまざまなメリットがあります。
特別な技能や経験の有無が問われない
タクシードライバーになるためには二種免許の取得が必須ですが、取得のための費用を全額負担してくれる会社もあるため、特別な技能や経験の有無は問われません。
実際、タクシー会社に就職する人の多くが、タクシー未経験から乗務をスタートさせています。たとえば営業職、エンジニア、警備員など、タクシーとは関係のない職種から転職して、月収50万円以上を稼ぎ出すドライバーも多いです。
職場の人間関係に悩むリスクが低い
20~35歳の会社員を対象にしたアンケートでは、「仕事を辞めたいと思った理由」のトップは「給与の低さ」で、次いで「人間関係」と答える人が多いようです。働く人たちの多くが職場の人間関係に悩み、人間関係のストレスから仕事を辞めたいと考えていることが分かります。
タクシードライバーは路上に出れば基本的に一人になるため、職場の人間関係に悩まされることがありません。ドライバー同士の足の引っ張り合いなども皆無なので、自分の仕事に専念することができます。
定年後も長く働ける
全国平均でのタクシードライバーの平均年齢は57.6歳で、他業種と比べるとかなり高い数値です。一般的な企業では60歳や65歳で定年を迎える場合が多いですが、タクシー会社では70歳以上でもバリバリの現役で働いているドライバーがたくさんいます。
さらに、定年後の働き口としてタクシードライバーを選択するケースも多いようです。若くしてドライバーになれば、30年から40年の長期にわたって働くこともできます。
努力次第で収入を大きく伸ばせる
タクシーの完全歩合制にネガティブなイメージを持つ人も少なくありませんが、月収50万円以上を稼ぐような「デキる」ドライバーの多くは完全歩合制です。頑張れば頑張るほど収入が増える完全歩合制は、経験を積んだドライバーが好んで選択しています。
あえて「本気で稼がないと給与がもらえない」という状況に自分を追い込み、効率的に稼ぐ方法を独自で考え、実践するドライバーが多いようです。
タクシードライバーのデメリット
タクシードライバーは長時間労働など「きつい」部分に注目が集まりがちですが、それらデメリットを解消する方法もあります。
長時間運転による身体的な疲労が大きい
タクシードライバーがタクシーを運転する時間は、多い日で1日に15時間以上にのぼります。常に道路状況やお客様の応対に気を配る必要があるため、体力的にも精神的にもきつい仕事です。
長時間の運転を乗り切るには、日頃から体調管理と体力づくりが求められます。もちろん、長時間の勤務をした後は1日休みや連休を取ることもできるので、しっかりリフレッシュして次の乗務に備えます。
隔日勤務で1日の勤務時間が長い
タクシードライバーの勤務形態には「日勤」「隔日勤務」「夜勤」の3種類があり、そのうち隔日勤務は19~21時間の長きにわたって営業する勤務形態です。隔日勤務の営業時間には3時間の休憩も含まれますが、それでも精神的・体力的な疲労は免れません。
しかし、隔日勤務の場合は1ヶ月に11~12乗務で、残りはお休みにできます。さらに月の売上を大きく伸ばせるチャンスでもあるため、稼ぎたいドライバーが好んで選択する働き方でもあります。
乗客とのトラブルや交通事故のリスク
タクシーは運送業であると同時に接客業ですので、お客様との関係なくしては成り立ちません。しかし、時にはふとしたきっかけでお客様を不快にさせてしまうこともあります。特に新人のドライバーは地理や営業に不慣れなこともあり、お客様とのトラブルが起こりやすいとも言えます。
さらに、ドライバーがどれだけ気をつけていても、クルマを運転している以上は交通事故に巻き込まれる可能性がゼロではありません。
ネガティブなイメージを持たれやすい
徐々に改められつつありますが、未だにタクシードライバーやタクシー会社について「激務薄給」や「ブラック企業」など、ネガティブなイメージを持つ人は少なくありません。
新卒からの就職や他業種からの転職では、周囲の人たちに反対されたり心配されたりすることもあるでしょう。メリットで説明したように、現在人手が不足しているタクシー業界ではドライバーの給与や待遇が改善され、未経験者でも働きやすい環境が整えられています。
まとめ
「タクシードライバーに興味はあるけど、激務と聞くし稼ぎも少ないイメージがある」
転職を考えるとき、世間一般のイメージだけで転職先を決めるのは非常にもったいないことです。メリット・デメリットをしっかりと把握して、タクシードライバーの働き方が自分に合っているかどうかを冷静に判断しましょう。