第28回
石川県津幡町 「おまん小豆のおにぎり」
おにぎりを考案した右から中多さん、寺西さん、平良雄さん(石川県津幡町で)
石川県津幡町には、ため池の縁や畑のあぜ道に、どんなに雪深くても、5月上旬には必ず芽を出すという自生小豆「おまん小豆(和名ヤブツルアズキ)」が生えている。煮てご飯と一緒に炊き込み、丸く握ったのが「おまん小豆のおにぎり」だ。米農家、中多弘さん(70)らがまち興しを兼ねて昨秋、考案した。「将来性があるおにぎりやで」と自信の一品だ。
おまん小豆のおにぎりは、小豆ともち米を蒸した赤飯とは一味違い、炊飯器を使う。小豆は水だけで煮詰めるため、本来の甘味が楽しめ、さっぱりした後味が特徴だ。「小豆には、血流をよくするポリフェノールがたっぷり入っている」と中多さん。「イベントやお土産屋などで売りたい。これからや」と意気込む。
加賀藩時代に、隣接する富山県小矢部市のため池「埴生(はにゅう)の大池」の堤防が崩れて、付近の田んぼは水没、米は不作となり、家まで流される大災害が相次いだ。決壊を食い止めようと、おまんという娘が池に身を捧げた。以来、決壊はなくなり、無事に米が収穫できるようになった。農民たちは大池の縁に生えていた小豆に娘の姿を重ね合わせ、感謝を込めて「おまん小豆」と呼ぶようになったという。















