第27回
大分県別府市 「カボスおかかのおにぎり」
芋掘りに出かけた山で、宇喜枝さんとおにぎりを食べる夫の秀吉さん(左)(大分県別府市で)
カボス生産量が日本一の大分県では、おにぎりにもその果汁を使う。別府市の野菜農家、坂本宇喜枝さん(73)は、たまりじょうゆなどにカボス果汁を混ぜた「カボスじょうゆ」に、かつお節を漬け込んだ特製の具で「カボスおかかのおにぎり」を作る。ほおばると、たまりじょうゆの甘味が口の中に広がり、後からカボスのさわやかな酸味が効いてくる。
「カボスを使うと、とてもさわやかに仕上がる」と坂本さん。同居する中学生の孫・寧々さん(15)と菜々さん(13)が「おにぎりに、カボスおかか入れてね」とおねだりすることもたびたびだ。
週に1度はヤマノイモを掘りに山へ入る夫の秀吉さん(77)にとっても、このおにぎりがパワーの源。「おにぎり作ってと言われると、ああ、今日は芋掘りねって思う。山に入る合図なの」と坂本さん。
このおにぎりを作るきっかけとなったのは、昨年亡くなった実母の宮崎マサエさん(享年93)の一言だった。坂本さんが考案したカボスおかかを、「おにぎりに入れてもうまいよ」と教えてくれたのだ。











